おっさんだけどケータイ小説「あたし彼女」を読んでみた。

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ケータイ小説、読んだことありますか?

そもそもケータイ小説とは昨年あたりから流行した携帯で執筆され、読まれる小説のことで主に10代?20代向けの文化、というか携帯電話向けのコンテンツといえます。

主に改行を多様したほぼ通常の小説とは異なる文体で書かれるものが多いですね。

そんなケータイ小説の発展を目指して創設されたのが「日本ケータイ小説大賞」。その第三回大賞を受賞したのが「あたし彼女」というわけです。

まぁ、あたし彼女の内容を超絶簡単にまとめると、

自称かわいい女が、遊びまくりの人生で、初めて男を好きに。
でも男には忘れられない元カノ(故人)が。
女は、男が自分を元カノのかわりに愛していることに気づき、怒って飛び出す。
でも女は男が好きなので、もとに戻る。
男が、間違えて、元カノの名前を呼んでしまう。女、キレて飛び出す。
でもやっぱり女は男が好きで、実は男も女が好きになってたから、元サヤに。
男、女を地元に連れてゆき、ダイアモンドダストを見せて、女、感激。
実家で男の親から元カノの話が出て、またまた喧嘩。
男、仕事が忙しかったり、女が風邪をひいたりして冷戦状態。
だが女の妊娠が発覚。
女が男にそのことを告げられないうちに、流産。
女の流産を、勝手に堕胎したと男が勘違い、女、ブチ切れて実家へ帰る。
男の夢に、元カノが出てきたりして、結局、仲直り。

めでたしめでたし。

というどこかで観たような、観てないようなお話です。

内容を書いてしまうとまぁ、こんな内容ですし痴話喧嘩の連続とSEX、失恋、妊娠、流産、というフルコース付き。そしてああいった文体ですから非難されたり敬遠されたりするのはまぁ当然と言えるでしょう。

最初のウチは頭がクラクラしながら読んでましたが、読後感としては「あり、か、なしで言えばまぁあり、かな」と思いました。お話的にはありきたりな話ですが、改行を多用したことで生まれるリズムが主人公アキの心情の変化などを小気味良く表現したと思います。

正直、メインのターゲット層から外れたおっさんなので素直に泣いたり感動したりはなかったですが、これを読んで実際に「私もケータイ小説書きたい!」という書き手が現れ、気合の入った作品が世に出てくるならまた読んでみたいですね。